美浜の自然見て歩記〜海辺観察〜その12〜14

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美浜町の三河湾側には河和口に代表される砂浜が発達し、
時期にはアサリを目当てに潮干狩りで賑わいます。
また、伊勢湾側には冨具崎に代表される磯が発達し、
干潮時には潮だまりの生き物たちが楽しませてくれます。
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その12  ハマヒルガオの海<ハマヒルガオ>
 私が小学校低学年だったころ、学校の国語の授業で『ハマヒルガオの海』という読み物を習った記憶があります。定かな記憶ではありませんが、たしかこんな感じだったような気がします。

 磯にできた潮だまりに小魚がとり残されていて、その傍らにハマヒルガオが咲いている。その潮だまりが”ハマヒルガオの海”。
 焼け付くような強い日差しに照らされて、ハマヒルガオの海はどんどん小さくなっていく。小魚もハマヒルガオも弱っていきますが、お互い励ましあいます。
 いよいよダメかという頃に潮が満ちてきて助かるのですが、そこには友情が芽生えた小魚とハマヒルガオに別れの時がやってくる。

 子供の頃、そんなハマヒルガオの話に出会ってから、何となく物悲しいハマヒルガオの花を一度見てみたいと思って、夏に海に出かけるたびにさがしていましたが、出会うことができないでいました。
 それが何とこの前の土曜日、冨具崎の浜にたくさん咲いているではありませんか!
 よくよく調べてみると、ハマヒルガオの花期は5月〜6月。
どおりで夏の最中にいくらさがしても、出会えなかったわけです。
…あの『ハマヒルガオの海』は、この時期の話だったんだ…。
 (2004.5.22)
その13  ホバリングから急降下!<コアジサシ>
 5月ぐらいの浜辺では、白い鳥が素速く飛び回っているのによく出会います。 この鳥は赤道を越え、オーストラリアあたりからやってくる夏鳥のコアジサシです。
 コアジサシは、エサの取り方が特徴的で、上空で留って(ホバリングと言います)、水中の小魚に狙いを定めて一気にダイブ!。その飛び込みは見事なものです。
←ポイントすると飛び込みます。
 いつもエサが獲れるとは限らないので、何度も何度も繰り返している姿が布土川の河口付近で見られました。
 (2005.5.15) 
その14  祝・知床…世界遺産へ登録!<ハマナス>
 先日、北海道の知床が世界遺産に登録されました。半島と周囲の海洋全体で構成される生態系が評価されての登録だそうです。おめでとうございます。

 規模はまったく違いますが、知多半島の美浜に住んでいても、海へ行ってはエサの魚を獲って帰ってくる鵜の姿を見ていると、半島と海とをまとめた生態系というものを感じることはできます。

 さて本題ですが、「知床」と聞いて40歳以上の方は、森繁久彌氏か加藤登紀子さんの歌う「知床旅情」を思い出されるのではないでしょうか?私は子供の頃に聞いた「♪知床〜の岬に〜、はまなすの咲く頃〜♪」というこの歌の詞から、ハマナスは寒い所でしか育たないという先入観を持っていました。
 ところがこの常春の知多半島でも、あちこちに植えられた(注:自生のはずがないので)ものが、立派に育っているのです。
 美浜の浜にも1株だけですが、きれいに咲いたハマナスを見つけました。紅い実がなるのが楽しみです。
 (2005.7.24)