美浜の自然見て歩記〜里山観察〜その14・15

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美浜町の内陸部は、田園とそれを取り囲んで、
雑木林を中心とした里山が広がっています。
国の天然記念物に指定された、鵜の池や鵜の山も有名です。

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その14 繊維のダイヤモンド<ヤママユの繭>
 3月の末、風の強い日でしたが近所の里山をぶらついていると、風で飛ばされたヤママユの繭が道に転がっていました。(左上の写真)
 ヤママユは天蚕と呼ばれ、カイコに似た繭を作りますが、カイコが属するカイコガ科とは別のヤママユガ科に属しています。また、昔からの養蚕に比べ、その希少性からヤママユの繭からとった生糸は、繊維のダイヤモンドと呼ばれることもあるようですが、最近では天蚕の飼育もよくされているようです。

 また、左下の写真は同じヤママユガ科に属するウスタビガの繭です。渥美の浜に打ち上げられていたのを拾いました。

 さらに、左の写真はクリキュラの作った黄金の繭。インドネシアなどに生息するヤママユガ科の一種です。
 昨年の愛知万博で、中部千年共生村パピリオン黄金の繭の外壁として使われていましたが、私は数年前に伊那谷道中を観光した際に入手していました。
(2006.3.25)
その15 かっちかちやぞ!<セミタケ>
 6月の末、テスト週間中の午後のこと。教材採集のため、研修をいただいて東海市の某公園へ“クモタケ”を探しに行きました。クモタケはキシノウエトタテグモに寄生するキノコの一種で、梅雨時に子実体(キノコ)を伸ばすと聞いていたのでこの時期を選んだのでした。

 公園に着いてさっそく、キシノウエトタテグモの巣穴は見つかりました。しかし2時間ほど探してまわりましたが、お目当てのクモタケは見つけることができませんでした。
 そろそろあきらめて帰ろうかと思い始めたころ、木の根の近くに何だか変なものが突き出しているのに気づきました(左上の写真参照 注:この写真は後から合成したものです)。

 おや?と思い、押してみるとこれがまたとても堅い。本当にかっちかちです。木の根っこかな?と思って引き抜いてみると、出てきたのはセミの幼虫の形をしたかたまりでした(左下の写真参照)。
 このかたまり、よく見てみると白い糸状のものが出ているのがわかります。この糸状のもので、この物体の正体が“セミタケ”であることを確信したのでした。
 このセミタケもクモタケ同様に昆虫などに寄生するキノコの仲間で、よく冬虫夏草などと呼ばれるものの仲間です。

 結局“クモタケ”は空振りでしたが“セミタケ”を拾い、自分でも“転んでもタダでは起きない”自分を感じた私でした。 (2006.6.30)