美浜の自然見て歩記〜ご近所観察〜その39

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美浜の布土にある自宅周辺で見つけた自然を紹介します。
いろんなものが、まだまだ残っています。

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その39  シマトネリコ大好き!<カブトムシ他>
 庭の木々もしっかりと根を下ろし、少しずつ木陰を作ってくれるようになってきました。

 朝早くからスズメたちが群がり、それと入れ替わるようにセミたちがとまって鳴いています。クマゼミのシャワン、シャワン、シャワン…という声とアブラゼミのジーーーという声。名古屋では聴きなれないミンミンゼミの声もしてきます。

 庭の手入れをしていた妻が、「木にカブトムシが群がって、幹をかじっている。」と教えてくれました。私は数日前の朝、シマトネリコの幹に「何かがくっついているなぁ。」と思いながら登校していったのを思い出し、「あれはカブトムシだったのか。」と納得しました。でも、カブトムシが木をかじるなんて聞いたことがありません。カブトムシと言えば、コナラについた傷から出る樹液をなめにやって来るものと昔から思っていましたので半信半疑で見に行くと、数匹のメスのカブトムシが見事なかじりあとをつけていました。かじりあとは幅1cm足らずで材木のような肌色をしており、それが何本も木の幹に残されていました。

 調べてみるとこのようにカブトムシが自分で木をかじり、そこからにじみ出る樹液をなめる行動は最近確認されたもののようです。いずれにしても、トネリコの仲間にはカブトムシを誘引する物質が含まれているのではないでしょうか。

 よく見るとカブトムシがかじったあとからにじみ出る樹液にはアリもハチも寄ってきています。また、その少し上の枝にはアマガエルがお休みしていました。

 「昔は夜になると家の中にカブトムシが飛び込んできたんだよ。」と話す妻も「家の庭の木にカブトムシがやって来た。」と少し嬉しそうな顔をしていました。1本の木を中心に生物たちの輪を感じることができた夏の1日でした。


(2010.8.11)